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愛・地球博 〜市民プロジェクト 「食の未来を考える」〜

期間:2005年5月13日(金)〜5月15日(日)
日時:2005年5月15日(日) 第6回「21世紀の食への提言-健康で地球に優しい食生活-」
にてパネリストとして参加

講演内容 <長寿の島、沖縄に学ぶ> 平良 一彦

一年を通して温暖な沖縄の気候は沖縄の健康・長寿を支えるうえで、極めて大きなメリットの一つである。青い海や紺碧の空は、特に鈍よりとした日本海側地方の空や海の色と比較すると各段に明るく、美しく、沖縄の宝である。
個人の健康を考える時、日々の食生活や身体活動、それに休養・睡眠は主要な三本柱である。伝統的な沖縄の食生活は高齢者を対象とした調査でみると、本土に比べて豚肉、豆腐、野菜類、海藻類の摂取量の多いことに大きな特徴があり、食塩の摂取量も全国平均に比べ、極めて少ない。貧しかった時代、貴重な蛋白源としての豚肉やヤギの肉など、動物性たんぱく質の摂取に関しては昔からの「共食の食文化」の持つ意義は大きい。また豚肉の料理は時間をかけてじっくりと脂肪分を取り除く調理法が日常茶飯事であり、先人の智慧として誇れるものである。具沢山の「食べる味噌汁」も今に始まったことではない。食塩の摂取量が少ないのも鰹節や昆布ををふんだんに使い、旨みが効いているからこそそれができる。ミネラル豊富な野菜の摂取量が多いのも「タギラシケーサー」という伝統的な調理方法が今に根付いているからである。それは、冷蔵庫のなかった時代に朝、食べ残した野菜の汁を捨てないで、昼にまた新たに野菜を加えて煮立てて食べる。その繰り返しの結果大量の野菜を食べることになる。このような「食の日常」に我々が学ぶべき多くの智慧が散りばめられているのだ。
身体活動にしても、散歩やゲートボールなどで良く体を動かしている者が多く、またこれらの高齢者は生涯現役意識が強く、就労意識や社会活動性も高い。特に大宜味村の高齢者は老人クラブや村の行事への参加、ボランティア活動など活動的な生活は群を抜いており、友人との交流の頻度や深さも特徴的で、家で閉じこもりがちな老人が極めて少ないのである。このようなメリハリのある日常生活は夜の睡眠に関してもいい影響を及ぼしていると思われ、入眠潜時、中途覚醒、早朝覚醒、あるいは睡眠随伴症状といった睡眠の質的な面でも概して良好な人が多い。
貧しくとも、隣近所・地域で支えあい、心豊かな社会を築き上げてきた沖縄の高齢者こそが沖縄の長寿文化の主人公であり、最も大切な宝であるが、後に続く我々がその文化遺伝子(?)を十分に継承できずに現在に至ってしまった。例年、百歳長寿者の数は本土より極めて多く、しかもこの大先輩たちの健康像はというと、巷にあふれる脳卒中や心筋梗塞といった代表的な生活習慣病に必ずしも無縁ではないが、その初発年齢が90歳前後というから、驚きである。真に幸せな健康長寿(福寿)を実現するためには、後に続く我々が長寿の文化的遺伝子を継承していく十分な力をつける必要がある。

愛・地球博 市民プロジェクトの対話劇場にてギリシャ時代の衣装を身にまとった演者たち
愛・地球博 市民プロジェクトの対話劇場にてギリシャ時代の衣装を身にまとった演者たち

愛・地球博 市民プロジェクトの対話劇場にてギリシャ時代の衣装を身にまとった演者たち